専門家に寄せられる法律相談の多くは相隣関係の問題であり、これは治安が良い国に特有の事象であると言えます。あまりにも治安が良すぎるために些細な出来事を仰々しく捉えてしまうことが原因で、その矛先が相隣関係の問題に向いているというわけです。法律相談の内容としては、相隣者の土地から流れる水の量が多いなどといった物理的なものがしばしばあります。しかしながら、法律相談に踏み切る前段階で問題を解決する手立てがあるので、第三者に協力を要請するのは最終手段と考えておくべきです。
国内の法律の多くは、当事者同士で話し合うことによって問題解決することを推奨しています。治安が良い国ですから、話し合いに臨む当事者同士の議論に熱を帯びてきても問題が大きくなりにくいために考えだされた概念です。法律の大原則とも言うべき考え方に沿って話し合いを開始すれば、当事者同士が互いに納得できる着地点を見出すことも容易になります。話し合いで問題を解決することの利点は、第三者に支払う報酬が皆無であることです。
努力しなければ身に付かない知識を多分に有している人物からアドバイスをもらおうとすれば、相応の報酬を支払う義務が発生します。その一方、話し合いで解決するように努めた場合には問題が発生している原因への対処に支出する費用だけで事足ります。家計を圧迫させない問題の解決手法なので、大原則に従って行動を起こすことは自己の資産の減少を最小限に食い止められます。